ピアノ講師の想い 生徒さんの想い
職業柄、X(旧Twitter)でフォローしているアカウントも同業のピアノ講師さんや、何かしら楽器を習っている方が多いです。他の講師さんたちの投稿や、学習者さんの投稿を見ていると色々と考えさせられることがあります。
結論から言うと、ピアノのレッスンを長期スパンで考える講師側と、まずは目先の目に見える成果が欲しい生徒さん側とで、気持ちのすれ違いが起きやすいのかな…と。
経歴や指導方針、考え方の違いはあれど、講師は音楽を長年続けた側であることは皆共通しています。自分は生徒さんに寄り添っているつもりでも、つい自分の経験則から物事を考えがち。ただ講師の経験則というのは、幼少期〜現在までの膨大な年月の積み重ねです。
対して生徒さん側の事情はさまざま。もちろん一生の趣味、ライフワークにするつもりでレッスンに通われている方もいるでしょうが、特に未経験から趣味作りとしてピアノを初めてみようと思う方などは、習い始めの時点から10年、20年先の長期スパンなんて中々見つめられないですよね。まず来年まで続くかも分からない未知の世界。
基礎練は大事。楽譜を読む力を付けることも大事。楽典も大事。
…でも大事なことは山ほどあれど、全て全て長い期間続いてこそ!
自分もピアノこそ長年続きましたが、仮に自分が趣味作りで、全く未経験の分野、例えばHIPHOPダンスなど(何でもいいけど笑)習い始めたとしましょう。
そしてそんな未知の世界に飛び込んだ自分を想像すると、今まで分かってるつもりで、実は想像も配慮も出来ていなかった生徒さん側の気持ちが自分なりに鮮明になり、ハッとさせられることがあります。
自分はまず基礎が大事。と言われ続けて耐えられるのだろうか…?そりゃ趣味なんだからまず楽しく踊りたいよな、簡単で、尚且つカッコよく見てる振り付けとか知りたいよな…等々。うん…。
そうか、習う側と教える側ってこんなにも気持ちの隔たりが存在する可能性があるのか。
まずは続けられるか不安。まずは上達以前に楽しみたい。だって楽しみを見出せないと続けられない。
講師も生徒さんの想いに、ただ自らの経験則で返すのではなく、生徒さん目線で想像し、可能な限り寄り添い、お互いの価値観を擦り合わせていく。
言葉で言うほど簡単なことではないですが、そうしてピアノを学ぶモチベーションを整えていける講師でありたいと思いました。